河野浩士の連載・真・実用小説
第8回 クレーム処理の落とし穴(後編)
商品は大丈夫なのか?
会社は大丈夫なのか?
株式会社キュートは、このクレーム危機をこうして乗り越える。
商品は大丈夫なのか?
会社は大丈夫なのか?
株式会社キュートは、このクレーム危機をこうして乗り越える。
岡山から、瀬戸内海沿いに兵庫県の播州赤穂、相生を結ぶローカル線が「赤穂線」。
その長船駅の周辺は、典型的な岡山の田舎町の田園風景が広がっていて、まったくもって、のどかな雰囲気です。
しかしこのあたりをうろうろしていると、ときとして、古いお屋敷が並ぶ異空間に迷い込んでしまうことがあります。「そこが備前福岡」という地区です。
最近では、この地域はあの黒田官兵衛ゆかりの場所ということで、観光に力を入れているそうなのです。
とはいえ、岡山出身の私も、じつはこの地区のことよく知りませんでした。恥ずかしながら、地元の観光キャンペーンではじめて詳細を知ったという次第です。
官兵衛といったいどんなつながりがあるというのでしょう?
私が生まれ育ったのが岡山県であること、今も岡山県瀬戸内市に家があることは、すでに前のブログでお話ししたとおりですが、そこから、クルマで15分程度のところに「牛窓漁港」があります。
牛窓町は、日本のエーゲ海などと呼ばれたりして、近畿中国地方では、ちょっとおしゃれなリゾートエリアを気取っているので、その名を聞いたことがある方も多いでしょう。
しかしその実は・・・、たしかにおしゃれな施設こそ点在するものの、エリアとしては、結局、瀬戸内海をのぞむただの古い漁港で、とても、いまどきのリゾートと呼べるような雰囲気ではないことは、最初に言っておかねばなりません。
じゃあ「ふ〜ん、だったらなんでそんなところを紹介するんだ」そうおっしゃるかもしれません。
しかし・・・
株式会社キュートに、入ってきたクレームの内容とは。
電話をかけてきたのは、モンスタークレーマーなのか? それとも・・・
企業として対応を誤れば死活問題にもつながりかねないこの問題を、
人吉弁護士とキュートははどう乗り越えるのか。
■岡山・・私が生まれ、高校を卒業するまで暮らしていた場所です。
故郷を離れてからは、正直なところあまり岡山を省みることも無く、両親にも「たまには帰ってきいや」などと、不平を漏らされたりしていたものです。当時は、昔を振り返りたくないという思いもあったかもしれません。
ところが、人生も折り返し点をすぎたかなと思うような時期になると、お約束のように、そんな岡山が無性に恋しく、気になってくるんですから不思議なものですね。
しかし、いざ恋しいとおもって岡山を振り返ったときには、すでに両親も故郷におらず、近しい親戚もほとんどいない状態です。ただ家だけが、今もぽつんと、瀬戸内市という町に放置されているのです。