■岡山・・私が生まれ、高校を卒業するまで暮らしていた場所です。
故郷を離れてからは、正直なところあまり岡山を省みることも無く、両親にも「たまには帰ってきいや」などと、不平を漏らされたりしていたものです。当時は、昔を振り返りたくないという思いもあったかもしれません。
ところが、人生も折り返し点をすぎたかなと思うような時期になると、お約束のように、そんな岡山が無性に恋しく、気になってくるんですから不思議なものですね。
しかし、いざ恋しいとおもって岡山を振り返ったときには、すでに両親も故郷におらず、近しい親戚もほとんどいない状態です。ただ家だけが、今もぽつんと、瀬戸内市という町に放置されているのです。
■瀬戸内市ってどこよ? ですよね。
瀬戸内市は、岡山市から兵庫県の赤穂市の方向に向かって、西に1時間弱走った(もちろんクルマで、ですよ)あたりにあるのですが、いくつかの町村が合併してできた、のんべんだらりとしたところ、いったいどこが中心なのかがよくわからない町です。
刀で有名な長船の町があったり、竹久夢二の生家などがあるエリア。備前焼の窯元もかなりあります。
ただ、我が家が瀬戸内市に移ったのは、私が岡山を離れてから。それまでは岡山市郊外に住んでいましたので、最初はいきなり帰省先が変わって、瀬戸内市にもそこにある家にも、ほとんど懐かしさすら感じませんでした。
ところが・・・、その後母親が他界し、父親も東京に住むようになって、岡山に誰もいなくなってからのことです、どういうわけか、どうしようもなく愛着がわくようになってきたのは。
ときどき新幹線に飛び乗って家の様子を見に行きたくなります。
テレビもないし、エアコンがちゃんと動くのも一部屋だけというありさまですが、ご近所の方が管理してくださっているので、とりあえず安心です。
この先、この家をどうするかは考えなくちゃならないのですが、ともかく今は遠くにある、自分の中のモニュメントのようなものでしょうか・・・。
足を踏み入れれば、子ども時代のものも家の中には残っていますしね。
別荘にするにはちょっと遠くて不便すぎるし、そこまで風光明媚な場所に建っているわけでもありません。
でも行けば宿泊は可能ですから、最低でも年に1度は泊りに行ってます。
おかしなもんですね。
岡山はLCC航空会社も飛んでいないし、安い新幹線の割引チケットもないのが難点です。
しかも、瀬戸内市の家に行くにはレンタカーが必要、両親や親戚がいるわけでもない、それでも今年の夏もまた、やっぱり行ってきました。
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